映画/美容ライター此花さくやのコノ話

大好きな映画・美容・ファッション・プライベートで感じるコトを綴っていきます。

ショートショート フィルムフェスティバル & アジア オープニングセレモニー、大好きなショートフィルム2選。

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こんにちは、映画で美活する映画美容ライターの此花です。

 

6月1日に開催された『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2017』のオープニングセレモニーに行ってきました!

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私の目当ては、先日、カンヌ映画祭で10分ものスタンディングオベーションを巻き起こした『光』を監督した河瀬直美氏の『パラレルワールド』。

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EXILE HIROプロデュースのEXILE TRIBEと本映画祭がコラボ企画した『CINEMA FIGHTERS』の6作品のうちのひとつです。

 

楽曲『アンフェアワールド』をモチーフとした本作は、河瀬監督らしく、郷愁的で詩的で、めちゃくちゃ心に響く物語り。あんまり話すとネタバレになるので、映画祭でみてほしいー!

 

セレモニーには、デニム姿でかっこよく登場した河瀬監督。別所哲也さんに「カンヌ映画祭帰りですよね?」と聞かれ、「あ、はい、ボンジュール」とボケをかましていたのが、素敵すぎー。

 

その他、私のイチオシの作品は『ファッションショート』プログラムの、『My life is a play』。

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Berlin Fashio Film Festival 2016やCiclope Film Festival 2016でアワードを受賞している本作は、女性の多面性や自立を啓蒙している女性のための物語り。たったの4分ですが、「女性であることを見つめなおす」作品に仕上がっていると思います。YouTubeよりも、おっきなスクリーンで観たいもの。

 

あとは、田原総一朗さんがプレゼンターのひとりだったのだけれども、アワードを手渡す時に受賞者の監督と話し込んだり、いきなり質問を始めたり、さすがの田原さんでした! いいねー。ジャーナリストなんだから授賞式の形式よりも、核心に切り込まないと。

 

ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2017』では様々なスタイルのショートフィルムが、東京・神奈川の合計6箇所で、6月1日~6月25日まで無料上映されているので行ってみてー。

 

www.shortshorts.org

忙しくてなかなか映画館に足を運べないけれど、無料のショートフィルムなら気軽に行けそうですよね!

 

 

 

 

 

どんな風に恋に落ちたの?映画『光をくれた人』のマイケル・ファスベンダーとアリシア・ビカンダーがインタビューで答えたコト

こんにちは、映画美容ライターの此花です。

5月26日に公開された映画『光をくれた人』をもう観ましたか?

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ラスト10分から涙が止まらないーーなんて、映画のパンフレットに書いてあったと思うんですが、わたしなんて中盤から泣きっぱなし。その上、観終わったあとの余韻がハンパない映画です。3月ごろに試写会で観たんですが、まだ鑑賞後の余韻が忘れられません!

 

第1次大戦後、オーストラリアの孤島にある灯台で、戦争による心の傷を癒そうとする帰還兵のトム(マイケル・ファスベンダー)と、そんな彼を愛する純真な明るい妻イザベル(アリシア・ビカンダー)。哀しい流産を経て、孤島に流れついた赤ちゃんを二人は育てるのですが、その赤ちゃんには実は母がいて……。

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ゆっくりとしたストーリーの流れなんですが、オーストラリアの大自然の光、影、空、海が、トムやイザベルの心と連動しているかのように美しく激しく物語りを紡ぎ、めちゃくちゃ心を揺さぶる作品です。本当にエモーショナルで、主役の二人が撮影中に恋に落ちちゃったというのにも納得。

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では早速、そんな話題の二人と映画ジャーナリストのボニー・ルーファー・クレブのインタビューをみてみましょう。(一部抜粋、意訳しています)

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―お二人のケミストリーがあってからこそ、こんな美しい映画が出来上がったと思うんですが、撮影現場ですぐに二人はクリック(意気投合)したんですか?

 

アリシア「デレクは『ブルーバレンタイン』なども監督していてひとつひとつのシーンに対しての美意識が素晴らしく、脚本に即興を入れ込んで本当に美しいシーンを創りあげるの。あらかじめオンラインで話し合ったりもしていたのだけれど、あの美しい撮影現場に10分いたらすっと物語りに入り込めたわ。自然に役に没頭して演技が広がっていく感じだった」

 

―マイケル、あなたはどんな風に役にのめり込んでいったんですか? お二人のケミストリーがとってもリアルしたが。

 

マイケル「トムは本当にいい人でインスパイアされる。人間的なヒーローだと思う。トムがもっている“正義感”を、なんとしてもきちんと演じないといけないと思った。この物語りで興味深い点は、様々なストーリーがレイヤーされているところなんだ。例えば、レイチェル・ワイズが演じた役の夫のフランクに起こった悲劇。100年前のことだけれども、群集がよそ者を排除するなんて話は、移民問題を抱えている現代にも重ねることができると思うんだ。この映画は色々な意味が込められていると思う。それに、愛し合って家庭を作る。子供を失うーーそんなリアルで人間的なテーマだからこそ、いつか古くなってしまうような作品ではないんだ」

 

いやいや、この短いインタビュー、私、ウケてしまいました。映画ジャーナリストが「会ってすぐに二人はクリックしたんですか?」なんて、なんとか二人の恋バナにもっていこうするのに、アリシアもマイケルもはぐらかす、はぐらかす笑。アリシアの回答は全部訳さなかったのですが、彼女、わざと本題からそらして回答したようにも思えます。

 

やっぱり、俳優たちだってプライベートの恋バナしたくないよねー。私もインタビューするときは気をつけようっと思いました。

 

繊細でゆったりとした映画が好きなじゃない人には合わないかもしれないけれど、単なるラブコメじゃなく、深い愛の物語りをじっくりと観たい人にはオススメです!

ちなみに、アリシアの小顔メイクを解説した記事を女子SPA!で書いたのでよろしければご覧くださいー!!

joshi-spa.jp
映画『光をくれた人』
5月26日(金)TOHOシネマズ シャンテ 他にて公開
配給:ファントム・フィルム
(C) 2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC

 

 

ジェシーとの間にケミストリーはなかった!? クリステン・スチュワートが映画「カフェ・ソサエティ」について語ったコト。

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こんにちは。映画で美活する映画美容ライターの此花さくやです。

皆さん、GWを楽しんでいますか?

今日は映画「カフェ・ソサエティ」主演のクリステン・スチュワートのインタビューを載せたいと思います。(一部抜粋/意訳しています)

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スティーヴ・カレルが演じるリッチな年上の男性と、ジェシー・アイゼンバーグが演じるピュアな若い青年の二人と同時に付き合うヴェロニカをあなたは演じていますよね。二股をかける女性なのに、なぜか好きになってしまいます。男性の心をもて遊んでいるとも言える女性なのに、なぜ皆に嫌われないんでしょうか? 

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クリステン「(私が人に好かれるって)とっても変でしょう!?笑 私が演じるヴェロニカはいわゆる典型的な1930年の女性ではないわね。あの時代の女性には『こういう風に振舞わなきゃいけない』という制約が多かったのだけれど、ヴェロニカは気にしていないわ。だからかしらね……この映画が描きたかったのは、『人が一生に経験する“違うタイプの愛”』『年を重ねるにつれ、人生観が変わっていく』ということなの。ある日、自分の人生を振り返って『あのとき、こうしていたら~』と誰もが感じる、ということをこの作品は伝えたかったの」

 

ー作中に散りばめられたシャープで鋭いセリフは、まさにウディ・アレンの真骨頂ですよね。とてもインテンスなラブストーリーだと思いますが、映画での恋愛にどっぷり漬かった後にセットを降りたあと、あなたはどんなふうに感じているのですか? セット上での恋愛を完全にシャットアウトできるのですか?

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「それが不思議なことに、相手役のジェシーとは、セットを降りても本当に変な感じがしないの! 撮影中でもプライベートでもギグシャクしたことが一度もないのよ! 本当に彼を愛してるわ」

 

ー映画では、セクシャルなケミストリーが二人の間には感じられたのですが、セットを降りるとそういったケミストリーは、二人の間にはなかったということ?

 

ジェシーとは本当の友情でつながっているのよ。とっても自然体でいられるの! 彼と一緒にいるとちょっと挑発的な女の子だったり、ガーリーな女の子だったり、ナチュラルに演じることができたのよ」

 

スティーヴ・カレルと演じることはどうでした? あなたの父親といってもよいほどの年配のスティーヴに恋する演技は難しかったですか?

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「私が演じるヴォニー(ヴェロニカ)とスティーヴの役柄には、共通点がたくさんあるの。たとえば、『その瞬間を生きる』とかね。スティーヴは、今まで出会ったなかで一番おもしろい人よ。誰だってそう思うはず。皆がテーブル席で笑わなきゃいけないシーンがあるんだけど、スティーブがいきなり『ハハハハ』ってワザとらしい笑いをして、その笑い方がすごくおもしろくて、本当に皆が笑っちゃったの。だからそのシーンは大成功。彼は、どんな人でもインスタントに笑わせることができるのよ! ホント…どうしてそんなことができるのかわからないけど……」

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インタビュー、いかがでしたか? 『カフェ・ソサエティ』にはもう一人のヴェロニカ(ブレイク・ライブリー)が登場します。ジェシー・アイゼンバーグ演じるボビーが、1930年代のハリウッドとニューヨークを舞台に、二人のヴェロニカを愛するラブストーリー。

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しかも、アメリカの黄金時代が垣間見れるハリウッドとニューヨークのシーンを彩るのは、シャネルの衣装。クチュールドレスもステキですが、レトロガーリーなファッションが特に可愛いんです~!

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2011年に「彼女はアメリカのドリームガールだ」とカール・ラガーフェルドに言わしめ、それまでヨーロッパ人でないとシャネルの顔になれないという通説を打ち破りミューズになったブレイク・ライブリー。そして、2016年からシャネルのミューズとして活躍するクリステン・スチュワート。ハリウッドで快進撃中の二人が競演する映画『カフェ・ソサエティ』、GWにオススメです!

 

movie-cafesociety.com

5月5日(金・祝) TOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開!

© 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC. 公式HP:movie-cafesociety.com  

 

 

アートの定義を壊すファッション。アンドリュー・ロッシ監督が映画『メットガラ』について語ったこと

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こんにちは。映画で美活するをモットーに活動している映画美容ライターの此花さくやです。

 

4月15日に公開されたドキュメンタリー映画「メットガラ ドレスをまとった美術館」をもう観ましたか? 今回は、監督のアンドリュー・ロッシのインタビューをご紹介したいと思います。↓海外サイト『the Film Experience』のジョズ・ソイルとのインタビューより(部分的に抜粋して意訳しています)。

thefilmexperience.net

ーこの映画の題材を決めた理由は?

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↑アンドリュー・ロッシ監督

 

ロッシ監督「ヴォーグ誌に映画を作ることをアプローチされたんだ。パーティについてではなく、アートの役目、ファッションビジネス、アンドリュー・ボルトンの“旅”を通じて明らかにするメットガラの裏舞台、メットがなぜ素晴らしい美術館なのか、アナ・ウィンターの素顔、などについて興味があった。

 反対に、メットガラの華やかさ、煌びやかさだけにフォーカスするのは興味がなかったんだ。ただ、アンドリューの企画展が注目を集めるためには、メットガラの“華やかさ”がやはり必要なんだと実感した。そして、モデルがレッドカーペットで素晴らしい衣装を着て歩くこと自体が、実は“パフォーミングアート”だと思ったんだよ。

 

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例えば、デザイナー、グオ・ペイの黄色いドレスをリアーナが着てレッドカーペットを歩くことによって、着ているドレスが単なるファブリックではなくなる。衣装から透けて見えるリアーナという“生き方”と、2年もかけて作られたドレスが合い混ざって“the Queen of the Night”としての圧倒的な存在感を放つんだ。シンデレラのようにメットの階段を上るリアーナ、なんてエキサイティングなんだろうーー」

 

-本作で私の好きなシーンは、ビヨンセケイティ・ペリーシエナ・ミラー、ウマ・サーマンらがリアーナのライブで踊っているところなんです。ファッションを題材にした映画は「世俗的で浅い」という印象をうけやすいと思うのですが、私には監督がアメリカのソーシャルクラス(階級社会)を描いているように感じました。

どちらかというと貧しい階級出身のリアーナが上流社会のパーティーであるメットガラのスターにのぼりつめる。そして、少年の頃からメットで働きたかったアンドリュー・ボルトンもメットでキュレーターとして成功する……。アメリカンドリーム的なストーリーにも仕上がっているように見えます。

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「まったくそのとおり。ファッションの役割はロマンスとファンタジーだよ。ファッションは“贅沢品”以上の意味がある。この作品では、ファッションはジェンダーセクシュアリティ、ポリティクス、階級、クリエイティビティを表現する“心”だと伝えたかった。それに、ファッションは自分たちのバックグラウンドや過去から逃避するためのものでもあるんじゃないかな」

 

ーアンドリュー・ボルトンの企画展がひときわ印象的な理由は、テーマに潜む“会話”にあると思います。マックイーンの企画展では、「死と欲望」。映画に出てくる『鏡の中の中国』展では「東洋と西洋の会話」。二つの異なる世界が“会話”しているように思えます。監督も、本作を撮る際に“会話”という点を意識しましたか?

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↑キュレーターのアンドリュー・ボルトン。穏やかで知的なファッションおたく!

 

「この映画もそうだけど、前作の『アイボリー・タワー』でも“Institution”の裏舞台にフォーカスしたつもりだ。あるカルチャーの重要な部分に焦点をあてて、“なぜ重要と考えられているか”を分析してみたんだ。『アイボリー・タワー』ではテクノロジーを“破壊的な力”として描いているけれど、反対に、『メットガラ』では服飾部門が“破壊的な力”としてポジティブに作用していることを描きたかった。

ファッションは、絵画や彫刻とかなり異っていて、観客をひきつける力が非常に強く、資金集めのプラットフォームになっている。だからこそ、メットは幅広い客層を得られることができた。しかし同時に、19世紀に確立された“アートの定義”を破壊してしまったんだ。この矛盾が、“会話”として映画に描かれていると思う」

 

ロッシ監督のインタビュー、いかがでしたか? “二つの世界の会話”という視点、おもしろいですね~!「ファッションはアートか?」という論争は特に新しくないのですが、メットガラという分かりやすいイベントに落とし込んだところがこの映画の魅力。

だからこそ、高尚なテーマのドキュメンタリーなのにスリリングなリアリティ番組のようで、観てて飽きないんですよ!(特に、ジェニファー・ローレンスの歩き方や表情がおもしろい~!)

 

私もメットガラの裏側について記事を書いたので、よかったら読んでみて下さいね。

 

www.cinematoday.jp

joshi-spa.jp

映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』はBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開中
写真:(C) 2016 MB Productions, LLC

 

 

 

 

 

 

間近で見た!「速水もこみち」の包丁さばきと小顔がスゴいって話。

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↑メキシコ駐日大使らと。記者会見はメキシコ大使館で行われました。

 

こんにちは。映画美容ライターの此花さくやです。

今日は、あの"速水もこみち氏”がメキシコ産アボカドの新CM発表会

に登場するというので、駆けつけました!

 

もこみち氏が登壇するなり、記者の女性陣の瞳孔が開きっぱなしでギラギラ。

いやぁ、女性ってイケメン見ると本当に瞳がきらっきらっするんですね~。

もう、私も取材のことをすっかり忘れてバッテリーが切れるまで写真撮りまくっちゃいました。

 

さくっとアボカド料理を作っちゃうもこみち氏。

こんな男性が家でご飯を作ってくれたら、もう「あなたは家にいて。家から出ないでずっと私を待ってて!」って感じですよね~。

↓「ご飯できたよ~」なぁんて女性陣の妄想は逞しくなってたハズ!

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しかも、包丁さばきがこなれてる~。お皿の盛り付けもセンスよし~。

背が186cmもあるのに女よりも小顔で、手足も長くて、髪までステキなんですけど! もう完璧すぎ……あ~……違いすぎる……家にいる誰かと違いすぎる……。

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↑背が高いのでテーブルがやったら低い笑。

 

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ビタミンE以外にも1日に必要な食物繊維の半分以上を1個で摂れるアボカド。

もこみち氏のアボカドレシピ、今度作ってみようっと。

avocadosfrommexico.jp

今日は、本当に心の美活をしたわ~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜこんな結末を!? 映画『モン・ロワ』のマイウェン監督がカンヌ映画祭でこう答えた。

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こんにちは、映画美容ライターの此花さくやです。

ただ今公開中のフランス映画『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』をもう観たでしょうか? 

「愛とは全てを受け入れること」なんてよく言いますが、パートナーが浮気しても借金しても、愛しているからといって相手を許せるものでしょうか?

……答えは人それぞれだと思いますが、大人なら必ず悩んだことがある「愛の定義」を私たちに投げかけてくる映画なんです。

 

■あらすじ

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主役のトニー(エマニュエル・ベルコ)は知性とユーモアにあふれる有能な弁護士。そんな彼女がある晩、パリのクラブで学生時代に憧れていたチャーミングなジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)に再会します。ドラマチックな恋の果てに二人は結婚しますが、次第にジョルジオの身勝手さに耐えられなくなるトニー。かわいい子供も生まれますが、ジェットコースターのような結婚生活はあまりにも激しい……。「嫌になったからって別れていたら、結婚生活なんて送れない」「彼の欠点を受け入れてこそが愛じゃないの?」という葛藤に悩まされながらも、トニーがとった決断は……?

 

■エマニュエル・ベルコとヴァンサン・カッセルが超絶上手い!

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この作品は、2015年カンヌ映画祭でトニー役のエマニュエル・ベルコが女優賞を受賞(同時受賞は『キャロル』のルーニー・マーラ)。同じ女性として共感できる女性の生々しさををエマニュエルが熱演しています。美人じゃないけど、なんだかかっこいい。かっこいいけど危うい。危ういけど冷静。どこか守ってあげたくなるような女性を素晴らしく演じています。そして、そんなエマニュエル・ベルコに匹敵する芸達者のヴァンサン・カッセル。ひどい男だけど憎めない、女ならこんなに口説かれてみたいと思わせちゃうチャーミングさ! 

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■監督はリュック・ベンソンの元妻、マイウェン!

すれ違う男と女の愛憎を描いたのは、リュック・ベンソンの元妻で役者でもあるマイウェン監督。2006年に『Pardonnez-moi』で監督デビューし、2009年に『Le Bal des actrices』、2011年には『パリ警視庁:未成年保護特別部隊』を監督。セザール賞の最優秀作品賞のほか、監督賞、脚本賞にもノミネートされたことのある期待の監督です。

2015年カンヌ映画祭でのインタビューをYoutubeで見つけたのでその模様をご紹介します!(意訳しています)

 

バッドエンディングはなぜ?

 

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インタビュアー「また、バッドエンディングな映画を作りましたね笑」

マイウェン「映画のエンディングは色々な風に解釈できると思うわ笑。ハッピーエンディングとは言えないかもしれないけれど、例えば、トニーの視点では、彼女は自分を再構築しているの。あるカップルの単なる別れを描いたわけではなくて、観る人の心の持ちようで色々な見方があると思うわ」

 

インタビュアー「マイウェン、あなたは女優としても活躍していますがなぜ自分では演じなかったのですか? なぜ、エマニュエル・ベルコを主役に選んだのですか?」

マイウェン「この映画の前に撮影した3作品は自分が演じたの。私のトリロジーは自分が出演して完成したから、自分が出ない映画を一度撮影してみたかったの。トニーの役はとても複雑で難しい役。この役を演じながら監督業もこなすのは正直私には出来ないと思ったのよ。それに、エマニュエルはとてもフレッシュでユニークで、なによりもミステリアス。彼女はこの役をパーフェクトに演じてくれたわ」

 

インタビュアー「エマニュエル、あなたはこの映画で素晴らしかった!この役の準備はどのようにしたのですか?」

エマニュエル「映画の撮影はまるでボクシングのリンクに上がるようなもの。勝つか負けるかわからない――。役者はたくさん即興するの。私は、ガイドラインをマイウェンにあらかじめ示してもらって、その上で色々とマイウェンに提案されるのが好き。ヴァンサンはこういうやり方が好きじゃないけれどね」

 

インタビュアー「ヴァンサン、あなたはマイウェンのやり方をどう思いましたか?」

ヴァンサン「自由に演じさせてくれて、本当にマイウェンには感謝してもしきれない。まずセリフを役者に読ませて、即興をさせてくれるんだ。といっても、俳優がなんでもやってよいわけではなくて、ただ、表現の仕方に役者自身の体験を使っていいんだ。つまり、ガイドラインは根底にあるし、マイウェンのオリジナルメッセージは決して失われていない。役者に好きなように表現させてくれるけれど、マイウェンは最後にきちんと編集して映画のテーマが失われないようにする。結果、素晴らしい映画が出来上がったんだよ」

 

インタビュアー「ルイ・ガレル(トニーの弟、ソラル役)、あなたの役柄は一番客観的な立場を保っていると思います。トニーの弟として客観的でいながらも、とてもユーモアに満ちていますよね。この映画はおもしろくて笑うシーンがたくさんあったのですが、とくにあなたのシーンは楽しかった。あなたの役柄をどのように分析しますか?」

ルイ「ソレルってまるでエマニュエルの守護神みたいな存在だよね。いつも彼女に警告したり、悲劇を予測したり。実は、出来上がったこの映画をまだ観ていないんだけど、マイウェンには“トニーを守る弟の役にしたい”と話していたんだ」

 

■パリジャンヌのスタイルがオサレ~!

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パリ最先端のレストラン、インテリア、パリジャンヌ・シックなファッションがとってもオシャレな本作。パリジャンヌは色使いがとっても上手なのです。私もファッションについて書いたのでよかったら読んでみてくださいー。

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愛に悩んでいる人にこの映画はオススメですよ!

 

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イベントで見た!ロバート秋山扮する「Yoko Fuchigami」からファッションを学んだ話。

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こんにちは。映画美容ライターの此花さくやです。

 

先日、4月下旬に発売されるパナソニックの新製品『衣類スチーマー』のローンチングイベントで、初めてYoko Fuchigamiさんを生で見てきました。

 

パリとバリのコレクション"のみ”で驚異的に活躍するYoko Fuchigami。イベントでは深~いお言葉を連発。

 

パナソニックの方がくしゃくしゃのシャツのシワを『衣類スチーマー』を使ってのばそうすると、Yokoが止めに入ります。

 

「あなたはファッションをわかってない。シワはね、生きてるって証なの。シワがない洋服なんてファッションじゃない」と。(←イベントがおもしろすぎて、録音してなかったので、正確なフレーズじゃないかもしれません)

 

いやいやいや、この言葉、結構深くないですか?

洋服の話? 人生の話? 整形の話?

 

メタファー効かせてる、Yoko?

 

Yoko Fuchigamiがよく言うのは、

「ファッションには3つ以上のストーリーがなきゃダメ」。

 

「おばあ様からいただいたパールのネックレス」とか、

 

カール・ラガーフェルドのシャネルじゃなくって、ココ・シャネルが健在だったころのシャネルのヴィンテージブラウス」とか、

 

「昨日食べた焼肉の臭いが染み付いているコート」とか、

 

とにかく、何かしらストーリー性が最低でも3つ以上存在しているスタイルじゃないと、ファッションではないのだとか!

 

「ひょっとしたらロバート秋山は、Yoko Fuchigamiのキャラを通して、メタフォリックで社会風刺的なメッセージを送っているのでは!?」なんてしばらく考えてしまいましたよ。

 

「20歳の顔は自然から授かったもの。

30歳の顔は自分の生き様。

だけど50歳の顔には、あなたの価値がにじみ出る」

という、ココ・シャネルの名言が頭によぎりました。

 

 

恐るべし、Yoko Fuchigami……。