映画/美容ライター此花さくやのコノ話

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なぜこんな結末を!? 映画『モン・ロワ』のマイウェン監督がカンヌ映画祭でこう答えた。

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こんにちは、映画美容ライターの此花さくやです。

ただ今公開中のフランス映画『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』をもう観たでしょうか? 

「愛とは全てを受け入れること」なんてよく言いますが、パートナーが浮気しても借金しても、愛しているからといって相手を許せるものでしょうか?

……答えは人それぞれだと思いますが、大人なら必ず悩んだことがある「愛の定義」を私たちに投げかけてくる映画なんです。

 

■あらすじ

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主役のトニー(エマニュエル・ベルコ)は知性とユーモアにあふれる有能な弁護士。そんな彼女がある晩、パリのクラブで学生時代に憧れていたチャーミングなジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)に再会します。ドラマチックな恋の果てに二人は結婚しますが、次第にジョルジオの身勝手さに耐えられなくなるトニー。かわいい子供も生まれますが、ジェットコースターのような結婚生活はあまりにも激しい……。「嫌になったからって別れていたら、結婚生活なんて送れない」「彼の欠点を受け入れてこそが愛じゃないの?」という葛藤に悩まされながらも、トニーがとった決断は……?

 

■エマニュエル・ベルコとヴァンサン・カッセルが超絶上手い!

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この作品は、2015年カンヌ映画祭でトニー役のエマニュエル・ベルコが女優賞を受賞(同時受賞は『キャロル』のルーニー・マーラ)。同じ女性として共感できる女性の生々しさををエマニュエルが熱演しています。美人じゃないけど、なんだかかっこいい。かっこいいけど危うい。危ういけど冷静。どこか守ってあげたくなるような女性を素晴らしく演じています。そして、そんなエマニュエル・ベルコに匹敵する芸達者のヴァンサン・カッセル。ひどい男だけど憎めない、女ならこんなに口説かれてみたいと思わせちゃうチャーミングさ! 

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■監督はリュック・ベンソンの元妻、マイウェン!

すれ違う男と女の愛憎を描いたのは、リュック・ベンソンの元妻で役者でもあるマイウェン監督。2006年に『Pardonnez-moi』で監督デビューし、2009年に『Le Bal des actrices』、2011年には『パリ警視庁:未成年保護特別部隊』を監督。セザール賞の最優秀作品賞のほか、監督賞、脚本賞にもノミネートされたことのある期待の監督です。

2015年カンヌ映画祭でのインタビューをYoutubeで見つけたのでその模様をご紹介します!(意訳しています)

 

バッドエンディングはなぜ?

 

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インタビュアー「また、バッドエンディングな映画を作りましたね笑」

マイウェン「映画のエンディングは色々な風に解釈できると思うわ笑。ハッピーエンディングとは言えないかもしれないけれど、例えば、トニーの視点では、彼女は自分を再構築しているの。あるカップルの単なる別れを描いたわけではなくて、観る人の心の持ちようで色々な見方があると思うわ」

 

インタビュアー「マイウェン、あなたは女優としても活躍していますがなぜ自分では演じなかったのですか? なぜ、エマニュエル・ベルコを主役に選んだのですか?」

マイウェン「この映画の前に撮影した3作品は自分が演じたの。私のトリロジーは自分が出演して完成したから、自分が出ない映画を一度撮影してみたかったの。トニーの役はとても複雑で難しい役。この役を演じながら監督業もこなすのは正直私には出来ないと思ったのよ。それに、エマニュエルはとてもフレッシュでユニークで、なによりもミステリアス。彼女はこの役をパーフェクトに演じてくれたわ」

 

インタビュアー「エマニュエル、あなたはこの映画で素晴らしかった!この役の準備はどのようにしたのですか?」

エマニュエル「映画の撮影はまるでボクシングのリンクに上がるようなもの。勝つか負けるかわからない――。役者はたくさん即興するの。私は、ガイドラインをマイウェンにあらかじめ示してもらって、その上で色々とマイウェンに提案されるのが好き。ヴァンサンはこういうやり方が好きじゃないけれどね」

 

インタビュアー「ヴァンサン、あなたはマイウェンのやり方をどう思いましたか?」

ヴァンサン「自由に演じさせてくれて、本当にマイウェンには感謝してもしきれない。まずセリフを役者に読ませて、即興をさせてくれるんだ。といっても、俳優がなんでもやってよいわけではなくて、ただ、表現の仕方に役者自身の体験を使っていいんだ。つまり、ガイドラインは根底にあるし、マイウェンのオリジナルメッセージは決して失われていない。役者に好きなように表現させてくれるけれど、マイウェンは最後にきちんと編集して映画のテーマが失われないようにする。結果、素晴らしい映画が出来上がったんだよ」

 

インタビュアー「ルイ・ガレル(トニーの弟、ソラル役)、あなたの役柄は一番客観的な立場を保っていると思います。トニーの弟として客観的でいながらも、とてもユーモアに満ちていますよね。この映画はおもしろくて笑うシーンがたくさんあったのですが、とくにあなたのシーンは楽しかった。あなたの役柄をどのように分析しますか?」

ルイ「ソレルってまるでエマニュエルの守護神みたいな存在だよね。いつも彼女に警告したり、悲劇を予測したり。実は、出来上がったこの映画をまだ観ていないんだけど、マイウェンには“トニーを守る弟の役にしたい”と話していたんだ」

 

■パリジャンヌのスタイルがオサレ~!

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パリ最先端のレストラン、インテリア、パリジャンヌ・シックなファッションがとってもオシャレな本作。パリジャンヌは色使いがとっても上手なのです。私もファッションについて書いたのでよかったら読んでみてくださいー。

joshi-spa.jp

愛に悩んでいる人にこの映画はオススメですよ!

 

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