訓練された猫じゃない。映画『ボブという名の猫』インタビューこぼれ話
こんにちは。ただいま公開中の映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』、もう観ましたか? 8月上旬にジャパンプレミアで来日したボブと原作者のジェームズ・ボーエンさんにインタビューをしたこぼれ話を今日はシェアしたいと思います。
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特別な飛行機で来日したボブ!
私がボブとジェームズさんに会ったとき、まず聞いたのは飛行機の旅について。普段なら「日本の印象は?」とか「日本はどうですか?」なんてありきたりの質問をしないようにしているのだけど、ジェームズさんの2冊目の著書『ボブがくれた世界 ぼくらの小さな冒険』では、オーストラリアに住む母を訪ねたときに狭い飛行機のせいでジェームズさんは血栓にかかってしまった辛い経験を書いているから心配だったんです。(このとき、ボブはロンドンでお留守番)
ジェームズさんによると、ペットが貨物室に入れられる通常とは違う方法で旅をしたらしい。ほっ。私はペットを飛行機に乗せたことがないけれど、貨物室の空調がよくなくて病気になったり死んだりするペットがいるらしいもの。
ハイタッチする人を選ぶボブ
さて、ジェームズさんの本を2冊読むまで、性格の悪い私は「ハイタッチを訓練された猫なんじゃないの~?」なんて疑っていました。しかし、そうじゃないことが分かりました。ボブ、一匹の猫として主張がはっきりしています。とっても猫らしく訓練された猫では断じてありません。
まず、編集者さんがボブとハイタッチしようとしたのだけれど、編集者さんが上げた手のひらをじーって見つめてハイタッチしないし……(笑)。ところがジェームズさんとはハイタッチ! やっぱりジェームズさんだけが特別なんですねぇ。
しかも、ジェームズさんの著作には「ボブはプレゼントをもらうのが好きだ。プレゼントの包み紙で遊ぶのが好きだから」といった記述があったので、私もボブに好かれようとプレゼントを持参したんです。
でも、ボブはまったくプレゼントの包み紙に興味を示さず…笑。ソファで疲れたようにまどろむ姿は時差ぼけのよう。そりゃそうよね、人間だって飛行機は疲れる。
そんなボブの自然体を見ていると、「へー、フツーの猫ちゃんだ!」と思ったのですが、驚いたのは写真撮影のとき。
カメラ目線を送るボブ
インタビューや撮影に興味はなさそうでしたが、ジェームズが声をかけるとちゃーんとカメラ目線を送るんです! いやいや、これにはびっくりしました。猫や子供ってずーっと動いているので写真を撮るのが難しくないですか? なのにボブは写真撮影の意味を理解しているようなんです。
疲れているのにしぶしぶとカメラ目線を送るなんて、もうその姿にきゅんきゅんしちゃいました! 愛想をふりまかないけれどキメるときはキメるなんて、男前すぎる!
謙虚なジェームズさん
確かにいままでインタビューさせていただいた著名人のなかで謙虚じゃない人っていませんでしたが、ジェームズさんはなかでも本当に素の人。場をリラックスさせる天性の素をもった方でした。
なかでも印象的だったのが、ホームレスになった理由を誰のせいにもしていないこと。でもね、書著に書かれているのですが、親が離婚をしてオーストラリアに連れて行かれて各地を転々とし、色々な精神病だと診断されて様々な薬物治療をされた少年時代を考えると、そういった経験が彼のなかでの疎外感や人間不信を助長してホームレスになった一因だとも思えるのです。
なのに、「人に助けを求められない傲慢な自分の性格がホームレスになった理由なのかもしれない」と言うんですよね。陥ってしまった状況は誰のせいでもない、自分の責任だと。ホームレスになる前はインディーバンドで頑張っていたんですよ。彼がホームレスやヘロイン中毒になってしまった詳しい経緯は聞きませんでしたが、自分の過去を振り返り反省し、いま置かれている幸せに感謝している謙虚なジェームズさんの姿勢に感銘をうけました。いまは作家以外にも慈善家として活動しているとか。
よかったらインタビューの詳細は女子SPA!の記事を読んでくださいね。
とにかく、著書にも映画にも感動しました! 安っぽいラブシーンなんかもないし、とてもよい映画でしたよ。
あぁ~、もっとボブと触れ合いたかったなぁ~。ボブとジェームズさんの物語りはアニメ化するという噂も。また来日してね~。