映画/美容ライター此花さくやのコノ話

大好きな映画・美容・ファッション・プライベートで感じるコトを綴っていきます。

なぜこんな結末を!? 映画『モン・ロワ』のマイウェン監督がカンヌ映画祭でこう答えた。

f:id:sakuyakonohana-sk:20170331173251j:plain

こんにちは、映画美容ライターの此花さくやです。

ただ今公開中のフランス映画『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』をもう観たでしょうか? 

「愛とは全てを受け入れること」なんてよく言いますが、パートナーが浮気しても借金しても、愛しているからといって相手を許せるものでしょうか?

……答えは人それぞれだと思いますが、大人なら必ず悩んだことがある「愛の定義」を私たちに投げかけてくる映画なんです。

 

■あらすじ

f:id:sakuyakonohana-sk:20170331173347j:plain

主役のトニー(エマニュエル・ベルコ)は知性とユーモアにあふれる有能な弁護士。そんな彼女がある晩、パリのクラブで学生時代に憧れていたチャーミングなジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)に再会します。ドラマチックな恋の果てに二人は結婚しますが、次第にジョルジオの身勝手さに耐えられなくなるトニー。かわいい子供も生まれますが、ジェットコースターのような結婚生活はあまりにも激しい……。「嫌になったからって別れていたら、結婚生活なんて送れない」「彼の欠点を受け入れてこそが愛じゃないの?」という葛藤に悩まされながらも、トニーがとった決断は……?

 

■エマニュエル・ベルコとヴァンサン・カッセルが超絶上手い!

f:id:sakuyakonohana-sk:20170331173051j:plain

この作品は、2015年カンヌ映画祭でトニー役のエマニュエル・ベルコが女優賞を受賞(同時受賞は『キャロル』のルーニー・マーラ)。同じ女性として共感できる女性の生々しさををエマニュエルが熱演しています。美人じゃないけど、なんだかかっこいい。かっこいいけど危うい。危ういけど冷静。どこか守ってあげたくなるような女性を素晴らしく演じています。そして、そんなエマニュエル・ベルコに匹敵する芸達者のヴァンサン・カッセル。ひどい男だけど憎めない、女ならこんなに口説かれてみたいと思わせちゃうチャーミングさ! 

f:id:sakuyakonohana-sk:20170331173145j:plain

 

■監督はリュック・ベンソンの元妻、マイウェン!

すれ違う男と女の愛憎を描いたのは、リュック・ベンソンの元妻で役者でもあるマイウェン監督。2006年に『Pardonnez-moi』で監督デビューし、2009年に『Le Bal des actrices』、2011年には『パリ警視庁:未成年保護特別部隊』を監督。セザール賞の最優秀作品賞のほか、監督賞、脚本賞にもノミネートされたことのある期待の監督です。

2015年カンヌ映画祭でのインタビューをYoutubeで見つけたのでその模様をご紹介します!(意訳しています)

 

バッドエンディングはなぜ?

 

www.youtube.com

インタビュアー「また、バッドエンディングな映画を作りましたね笑」

マイウェン「映画のエンディングは色々な風に解釈できると思うわ笑。ハッピーエンディングとは言えないかもしれないけれど、例えば、トニーの視点では、彼女は自分を再構築しているの。あるカップルの単なる別れを描いたわけではなくて、観る人の心の持ちようで色々な見方があると思うわ」

 

インタビュアー「マイウェン、あなたは女優としても活躍していますがなぜ自分では演じなかったのですか? なぜ、エマニュエル・ベルコを主役に選んだのですか?」

マイウェン「この映画の前に撮影した3作品は自分が演じたの。私のトリロジーは自分が出演して完成したから、自分が出ない映画を一度撮影してみたかったの。トニーの役はとても複雑で難しい役。この役を演じながら監督業もこなすのは正直私には出来ないと思ったのよ。それに、エマニュエルはとてもフレッシュでユニークで、なによりもミステリアス。彼女はこの役をパーフェクトに演じてくれたわ」

 

インタビュアー「エマニュエル、あなたはこの映画で素晴らしかった!この役の準備はどのようにしたのですか?」

エマニュエル「映画の撮影はまるでボクシングのリンクに上がるようなもの。勝つか負けるかわからない――。役者はたくさん即興するの。私は、ガイドラインをマイウェンにあらかじめ示してもらって、その上で色々とマイウェンに提案されるのが好き。ヴァンサンはこういうやり方が好きじゃないけれどね」

 

インタビュアー「ヴァンサン、あなたはマイウェンのやり方をどう思いましたか?」

ヴァンサン「自由に演じさせてくれて、本当にマイウェンには感謝してもしきれない。まずセリフを役者に読ませて、即興をさせてくれるんだ。といっても、俳優がなんでもやってよいわけではなくて、ただ、表現の仕方に役者自身の体験を使っていいんだ。つまり、ガイドラインは根底にあるし、マイウェンのオリジナルメッセージは決して失われていない。役者に好きなように表現させてくれるけれど、マイウェンは最後にきちんと編集して映画のテーマが失われないようにする。結果、素晴らしい映画が出来上がったんだよ」

 

インタビュアー「ルイ・ガレル(トニーの弟、ソラル役)、あなたの役柄は一番客観的な立場を保っていると思います。トニーの弟として客観的でいながらも、とてもユーモアに満ちていますよね。この映画はおもしろくて笑うシーンがたくさんあったのですが、とくにあなたのシーンは楽しかった。あなたの役柄をどのように分析しますか?」

ルイ「ソレルってまるでエマニュエルの守護神みたいな存在だよね。いつも彼女に警告したり、悲劇を予測したり。実は、出来上がったこの映画をまだ観ていないんだけど、マイウェンには“トニーを守る弟の役にしたい”と話していたんだ」

 

■パリジャンヌのスタイルがオサレ~!

f:id:sakuyakonohana-sk:20170331173453j:plain

パリ最先端のレストラン、インテリア、パリジャンヌ・シックなファッションがとってもオシャレな本作。パリジャンヌは色使いがとっても上手なのです。私もファッションについて書いたのでよかったら読んでみてくださいー。

joshi-spa.jp

愛に悩んでいる人にこの映画はオススメですよ!

 

www.cetera.co.jp

© 2015 / Les Productions Du Trésor - STUDIOCANAL - France 2 Cinéma - Les Films de Batna - Arches Films - 120 Films – All Rights Reserved

イベントで見た!ロバート秋山扮する「Yoko Fuchigami」からファッションを学んだ話。

f:id:sakuyakonohana-sk:20170323232326j:plain

こんにちは。映画美容ライターの此花さくやです。

 

先日、4月下旬に発売されるパナソニックの新製品『衣類スチーマー』のローンチングイベントで、初めてYoko Fuchigamiさんを生で見てきました。

 

パリとバリのコレクション"のみ”で驚異的に活躍するYoko Fuchigami。イベントでは深~いお言葉を連発。

 

パナソニックの方がくしゃくしゃのシャツのシワを『衣類スチーマー』を使ってのばそうすると、Yokoが止めに入ります。

 

「あなたはファッションをわかってない。シワはね、生きてるって証なの。シワがない洋服なんてファッションじゃない」と。(←イベントがおもしろすぎて、録音してなかったので、正確なフレーズじゃないかもしれません)

 

いやいやいや、この言葉、結構深くないですか?

洋服の話? 人生の話? 整形の話?

 

メタファー効かせてる、Yoko?

 

Yoko Fuchigamiがよく言うのは、

「ファッションには3つ以上のストーリーがなきゃダメ」。

 

「おばあ様からいただいたパールのネックレス」とか、

 

カール・ラガーフェルドのシャネルじゃなくって、ココ・シャネルが健在だったころのシャネルのヴィンテージブラウス」とか、

 

「昨日食べた焼肉の臭いが染み付いているコート」とか、

 

とにかく、何かしらストーリー性が最低でも3つ以上存在しているスタイルじゃないと、ファッションではないのだとか!

 

「ひょっとしたらロバート秋山は、Yoko Fuchigamiのキャラを通して、メタフォリックで社会風刺的なメッセージを送っているのでは!?」なんてしばらく考えてしまいましたよ。

 

「20歳の顔は自然から授かったもの。

30歳の顔は自分の生き様。

だけど50歳の顔には、あなたの価値がにじみ出る」

という、ココ・シャネルの名言が頭によぎりました。

 

 

恐るべし、Yoko Fuchigami……。

 

 

 

 

 

ふくらはぎを細くするには「ラン」が一番!? 道端ジェシカの美脚に驚いた話。

f:id:sakuyakonohana-sk:20170323004542j:plain

↑髪を触る仕草がなぜそんなに可愛い!?

 

昨日、生理周期連動型パーソナル美容アプリ「LunaRitta」のローンチングイベントで、道端ジェシカさんがご自身が実践する美容法を披露するというので取材に駆けつけました!

 

ジェシカさんには都内でなんども遭遇しており、その美しさは知っていたけれど、マジマジとそのお姿を拝見した(というか、遠慮なしにジロジロ見れた)のは今回が初めて。

 

しかし、とっても溌剌とした健康美に打ちのめされてしまいました。さすが、ジェンソン・バトンを射止めた女性。なんというか、内側からキレイオーラが放っているんですよ。今までにも美しい芸能人は何人か見てきましたが、ヘルシービューティでいったら、彼女がNo.1!(妖精度で言えば、NYのレストランで隣の席に座っていたアン・ハサウェイが神ってました~。あまりに人間離れしたデカ目に魂が抜かれるかと思いましたよ)

 

ジェシカさんの美しさで一番目についたのは、ふくらはぎ!

f:id:sakuyakonohana-sk:20170323003606j:plain

↑ふくらはぎにさえ、品格が……。

足首が締まっててまっすぐなんです! ガチで細いんですが、骨っぽいチキンレグスでもないし、上質な筋肉がうっすらとついたようなふくらはぎなんです。なに、この上質な感じ? なに、なに? 

 

一緒にいたヨガインストラクター兼美容ライターのお友達が分析するところによると、「あれは、“ラン”だね」とのこと。

 

ジェシカさんは、キックボクシング、ランニング、ヨガ、トライアスロンと幅広く運動をされているようですが、あの美脚を作っているのはランニングが一番の理由かもしれません。もしくは全部ミックスー!?

 

ということで、運動嫌いな私もランしてみようとちょっと思いました。まずは可愛いウェアを買って自分を精神的に追い込まねば~。

 

PS ジェシカさん、理路整然なトークもお上手でした!あ~同じ人間とは思えない…。

 

恋をすると女性ホルモンが増える?専門医が語る「女性のカラダ」にまつわる嘘6つ

f:id:sakuyakonohana-sk:20170301174949j:plain

今日は珍しく映画ではなく、女性のヘルスについてのコノ話。

2月24日(金)にドコモ・ヘルスケア株式会社が主催した「大人女子のため“カラダのキモチ”セミナー」へ行ってきました! お目当ては産婦人科医である宋美玄(ソン ミヒョン)先生。

ソン先生はフジテレビの「とくダネ!」で木曜日のレギュラーコメンテーターとしてもご活躍なさっていて、著者も多数出されている2児の母です。そんなソン先生が“女性のカラダにまつわる嘘”についてお話するというのでチョ~期待して参加しました。

f:id:sakuyakonohana-sk:20170301175023j:plain

期待どおりとってもおもしろかった! 先生の飾らない人柄に参加者全員、たちまち魅了されちゃいましたよ~。

そこで、セミナーで特に興味深かった、世間で囁かれている「女性の体にまつわる“嘘”」を皆さんとシェアしたいと思います。

 

1:昔の女子はナプキンを使わずともよかった!?

答え:嘘

女性の生理については怪しい昔話を聞いたことがありませんか? 昔の女性は骨盤底筋が鍛られていたので生理の血を膣内に閉じ込めておけた……とかなんとか。

ソン先生によると、骨盤底筋がどんなに鍛えられていても生理をコントロールすることはできないのだとか。昔の女性は私たち以上に生理では苦労していたんです。

しかも、骨盤底筋は鍛えれば鍛えるほど、硬くなる筋肉だそう。この筋肉が硬くなりすぎると、便意が分かりづらくなったり出産時に開きづらくなったりするのだとか。

つまり骨盤底筋を鍛えすぎるのもよくないということ。なんでもやりすぎはよくないのですね。とはいえ、安産や尿もれには骨盤底筋トレーニングが効果的だと聞きます。骨盤底筋トレーニングが気になったら、医師に相談するとよいかもしれませんね。

 

2:生理さえあれば、妊娠する!?

答え:嘘

たまに50歳ぐらいで妊娠したというニュースを聞きますが、やはりニュースになるくらいだからレアなケースだそう。生理がある=排卵がある、という図式は正解なのですが、生殖能力は30代後半からどんどん低下します。個人差もあり、妊娠する方法にもよりますが、一般的には42、43歳を過ぎると妊娠が難しくなるのです。

 

f:id:sakuyakonohana-sk:20170301175113j:plain

↑大盛況のセミナー!!!必死にメモする美容ライターたち。

 

3:布ナプキンで冷えが改善したり妊娠しやすくなったりする!?

答え:嘘

通常の紙ナプキンから布ナプキンに切り替えると、カラダが温まったり婦人病が予防できたりするという話を聞きますが、冷えや疾患と布ナプキンの因果関係は証明されていません。

ソン先生によると、綿素材は速乾性がないので濡れるとますます冷えてしまい、布ナプキンが冷えの改善になるとは言えないそう。病気の予防に関しても未だ臨床結果では証明されていないのだとか。

 

4:恋愛で女性ホルモンが増える!?

答え:嘘

ドコモヘルスケア株式会社が女子大生309人を対象に独自アンケート調査を行ったところ、「恋愛すると女性ホルモンが出ると思う」と答えた人は全体の88%、思わないと答えた人は12%という結果に。

「セックスをしたらキレイになる」と実しやかに世間では囁かれていますが、女性ホルモンが原因ではないらしいのです。

ソン先生曰く、恋愛ホルモンといわれる“オキシトシン”という脳内ホルモンが出ることはあっても、恋をすることでエストロゲンプロゲステロンなどの女性ホルモンが出ることはないのだとか!

 

■5:生理痛のときに、薬を飲むことは体に悪い!?

答え:嘘

同調査では「生理痛のときに薬を飲まないほうがよいと思いますか?」という質問をしました。「薬を飲まないほうがよいと思う」と回答した人は全体の48%、「薬を飲んでもよいと思う」と回答した人は52%という結果が。約半分の女性が、薬=体に毒、だと思っているようです。

しかし、ソン先生はそんなことはないと断言します。摂取した薬は体から排出されるので、生理痛のときに必要以上に我慢するのはやめましょう! 特別な事情がある場合を除いては、鎮痛剤を飲んでもよさそうです。

 

■6:冷たい食べ物や冷房で子宮が冷える!?

答え:嘘

「冷たい食べ物や冷房で子宮が冷えると思う」と答えた女子大生は全体の77%にものぼりました。

実際におばあちゃんやおかあさんに「腰を冷やすな!」と口を酸っぱくして言われたことがありませんか? 私も若い頃、ミニスカートをはいておばあちゃんに「腰が冷える」と叱られたことがあります。

ところが、子宮というのは体のなかでも特に暖かい場所。カキ氷を食べたり、冷房にあたったりすることが原因で子宮が冷えることはないそうです! 妊活中の皆さん、夏はアイスを食べてもいいんですよ~。

 

 

f:id:sakuyakonohana-sk:20170301180903p:plain

セミナーの最後に、ドコモヘルスケア株式会社から、『カラダのキモチ』アプリの説明を受けました。10万ダウンロードを突破したこのアプリを私もダウンロードしてみました。基礎体温や体重データのグラフ、妊娠しやすい時期、痩せやすい時期が一目でわかるのはおもしろい~。

 

f:id:sakuyakonohana-sk:20170301180920p:plain

過去の生理日にもとづき、生理日や排卵日を予測してくれるので、かなり使えそう!

さらに、排卵の周期によって、リフレッシュ期(生理中)、ハッピー期(生理後~排卵前)、リラックス期(排卵後←イライラしたりお腹が張ったりする)、スロー期(生理前←体や心が不調になりやすい)という4つに分けて表示してくれるんです。

今後、イライラしたりキーッとしたりしたときは、スマホをみて自分の状態を把握しようと思います笑。

 

しかし、ソン先生のお話はむっちゃくちゃおもしろかった! また行きたいな~!!!

 

 

アカデミー賞最有力候補!「ラ・ラ・ランド」にみるエマ・ストーンのボサ眉が可愛い

f:id:sakuyakonohana-sk:20170221104339j:plain

2月24日に公開される「ラ・ラ・ランド」。アカデミー賞史上最高と並ぶ14部門でのノミネートと聞き、観に行く方は多いと思います。

売れないジャズピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)と女優志望のミア(エマ・ストーン)の出会いはかなり運命的。お互いに「こいつ、サイアク!」と思うようなシチュエーションで4回も出会います。

この運命の出会いを果たした二人の“生涯で忘れられない恋”を1年に渡って描くミュージカル映画です。

ちなみに、LAの別名、“La La Land”というのは“現実からふわふわと浮いている夢見がちな状態”をさします。ハリウッドで有名になることを夢見て世界中から人がやってくるLAの別名はこういう意味があるんですね~。この言葉をタイトルにもってくるなんて、チャゼル監督、センスいいなあ~。

それでは、この作品の見所を3つピックアップしてみました! もっともっとあるんですけれどね……。

 

1:ファッションの“色”に注目!

f:id:sakuyakonohana-sk:20170221104048j:plain

お互いの夢を語り合う“青春”の季節から、現実に直面して成長していく“大人”の季節の流れに見る“ファッションカラーの変化”もおもしろいです。

↓大人へと成長していくセブ

f:id:sakuyakonohana-sk:20170221104135j:plain

50年代のミュージシャンや女優を彷彿とさせながらもタイムレスなモードを失わない、セブとミアのファッションは私たちでも真似したいスタイルです。

f:id:sakuyakonohana-sk:20170221104215j:plain

セブのスキニータイとスーツやツートンカラーのレースアップシューズ、ミアのカラフルなサマードレスや、オードリー・ヘプバーンのような白シャツxサブリナパンツxバレエシューズなど、まるでクラシック映画をみているような錯覚に襲われます。

ミアのワンピについては小学館『美レンジャー』でご紹介しているのでよかったらご覧ください~。

やっぱ春は…ワンピでしょ!「ラ・ラ・ランド」に学ぶコーデ術4つ

f:id:sakuyakonohana-sk:20170221104253j:plain

↑こちらのドレスは、初期のイングリッド・バーグマンがスクリーンテストに着ていたドレスにインスパイアされたものだそう。

 

2:名作ミュージカルへのオマージュがちりばめられている!

f:id:sakuyakonohana-sk:20170221104339j:plain

ミュージカルが好きな人もそうでない人も楽しめる本作。なぜなら、ミアとセブのパフォーマンスがわざとらしくないから。

ヒュー・ジャックマンが『レ・ミゼラブル』でみせたブロードウェイ級のパフォーマンスとはうって変わって、エマもライアンも囁くように歌っているので、セリフの一部がたまたま歌になっている感覚! すっと物語りに入っていけます。

が、よくみるとこの作品は音楽好きのチャゼル監督ならではの名作ミュージカルのエッセンスがたっぷりと堪能できるんです。『雨に唄えば』(1952)、『バンド・ワゴン』(1953)、『ムーラン・ルージュ』(2001)などなど……。

驚きなのは、ライアン・ゴズリングがピアノを本当に演奏している点! ディズニーチャンネルのチャイルドスターとして活躍していたんだから、もちろん歌って踊れるはずなんですが、ピアノはまるっきりの初心者でこの映画のために3ヶ月でマスターしたのだそう! しかし、プロっぽい演奏が部分的にもできるようになるなんてさすがのライアンです。私もピアノ習ってみようかな。

 

3:エマのボサ眉が可愛い!

f:id:sakuyakonohana-sk:20170221104504j:plain

この作品のエマは本当にキュート! どちらかというとファニーフェイスなのに、やっぱりあのボサ眉がイノセントな瞳を際立たせていると思うんです。

しかも、シーンによってはボサ眉を整えてキレイ目にしているのも見所!? そこでボサ眉のプロセスをレクチャーしてみましょう。

(1)眉頭の毛の流れに反対にスクリューブラシでとかして眉頭の毛を立てる

(2)その他の眉は毛の流れに剃って、スクリューブラシでとかす

(3)アイブロウパウダーの一番明るい色を眉毛全体にのせる。眉山→眉尻、そして眉頭→眉山にのせましょう。眉頭から始めるとパウダーが濃くついて眉頭が不自然になってしまうので、必ず眉山→眉尻につけたあと、“パウダーを足さずに”眉頭→眉山にしましょう!

(4)髪と同じ色のアイブロウペンシルで眉下の隙間を1本1本埋める。くれぐれも一気に眉毛をかかないように!

(5)眉マスカラで眉山→眉尻にのせたあと、眉頭→眉山に色をのせる。眉頭をコームするときは毛の流れに逆らって下さいね!

ミアは髪の色よりも眉毛が濃いですが、日本人の今風は髪の色と眉毛を同じ色、もしくはワントーン明るめにすることをオススメします。

そして、お出かけのときなど優雅に見せたいときは、眉頭と眉尻を細く整えるのがミア流です。

 

私のお気に入りのシーンは、セブがパーティーでバイトとして80年代のコピバンのキーボードを演奏しているシーン。80年代の安っぽいファッションに身をつつみ、ちっちゃなキーボードで80年代のポップソングをつまんなそうに弾くところを、タッキーなダンスでミアがセブをからかうところ。めちゃくちゃ笑えるとともに、エマ・ストーンの演技力に脱帽しますよ! 

とにかく、音楽、ファッション、切ないラブストーリーに酔える最高の映画でした~!

 

【参考】

映画『ラ・ラ・ランド』公式サイト

 

【画像】

※ (C) 2017 Summit Entertainment, LLC.

 

3月3日公開!映画「ラビング」で思い出す、アメリカ・バージニアでの高校留学

f:id:sakuyakonohana-sk:20170216005431j:plain

つい60年前まで、アメリカのバージニア州では異人種間の婚姻が違法だったのをご存知ですか?

バージニア州の高校に通った私には、ちょっと頷ける話かも。私がバージニアに住んだのは交換留学生としてたったの1年間。湾岸戦争が勃発した頃でした。

 

■実際に通ったバージニア州の高校は・・・

私が通った公立の高校は州内で4番目によいとされている学校でした。ざっくりと学校の60%が白人、39%が黒人、1%がアジア人で占められていたと思います。(←かなりテキトーに言っています)ラテン系がいたかもしれませんが、覚えていません。

 ちょうど、新学期から入ったのですが、いきなり“ぽ~ん”とクラスに入れられ、英語が全然聞き取れない私は、本当になにが起こっているかもわからず、とにかくテンパっていました。アメリカの公立の高校は、大学のように授業によって教室が移動するので、自分のクラスや担任教師というのもなく、スクールカウンセラーに言われるがままに選択したクラスへ移動するのがやっと……。

 やたらでっかい学校だったので、教室の場所さえもよくわからず、半べそをかきながら校内をさまよっていたので、毎回遅刻。遅刻したら当然、罰があるわけで……。しかし、それが“罰”だとも分からず毎日“Detention Room”に送られていました。

 Detention Roomというのは、校則を破った問題児が閉じ込められる“自習室”のことだと理解できたのは1ヶ月ぐらい経ってから。この自習室に入れられると、クラスに出席できず自習をさせられます。ランチの時間になると、問題児が列を組んで先生にカフェテリアに連れていかれるという仕組み。

 そのDetention Roomから問題児たちがカフェテリアに入ると、皆がひそひそと笑うんです。言葉がわからなくても、からかわれたり、ばかにされたりはハッキリ分かるから不思議ですよねー笑。

 まぁ、半年ぐらいたって英語がちょっと話せるようになってからは、友達もやっと出来て、Detention Roomを卒業することができましたが、長い冬だった……。

 本題に戻りますが、この学校のカフェテリアで驚愕したのは、人種別に生徒が完全に分かれて座っていたこと! カフェテリアの半分白人、残り半分黒人、そして隅にアジア人がご飯を食べていたんです。

 別に人種別に対立していたわけじゃないし、異人種間のカップルもたくさんいたけれど、アメリカに巣食う根深い人種問題を実際に体験したのは、このときが初めてでした。1990年代だったのにね~。

 というわけで、3月3日に公開される映画『ラビング 愛という名前のふたり』の南部の土地柄には、日本人の私でもちょっと共感できたんです。

 

■日常に疲れた奥様方、必見! 映画『ラビング 愛という名前のふたり』

f:id:sakuyakonohana-sk:20170216005508j:plain

『ラビング 愛という名前のふたり』は1958年のバージニアを舞台にした白人のリチャードと黒人のミルドレッドが、異人種間の婚姻を禁止する法律と戦う話です。

f:id:sakuyakonohana-sk:20170216005553j:plain

ふたりは異人種間でも結婚できるワシントンDCで結婚するのですが、バージニアに戻るなり逮捕され、州外へ追放されます。そして、ミルドレッドは、ロバート・ケネディ司法長官宛に1通の手紙を書きます。

f:id:sakuyakonohana-sk:20170216005629j:plain

この映画、なんと実話なんです! しかも、ラビング夫妻の名前はLOVING。

愛という名前のふたりなのに、愛することが罪になっちゃうの?

無骨だけど正直者のリチャードと家族を愛してやまないミルドレッドの二人の静かな苦悩と愛に、心がかきむしられるようでした! 

f:id:sakuyakonohana-sk:20170216005748j:plain

バージニアの自然が素晴らしく、細部までこだわった演出と脚本で物語の一瞬一瞬を美しく紡ぎ出すのは、今最も注目を集める若手監督、ジェフ・ニコルズ

そして、本作でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされているルース・ネッガ(ミルドレッド)、リチャードを演じるジョエル・エドガートンの演技は、かなり、神ってます! 特にジョエル・エドガートンがオスカーにノミネートされなかったのが信じられない!!! 作品賞にだってノミネートされるべき珠玉の作品に仕上がっています。

 ついつい見つけてしまう夫の欠点や言うことを聞かない息子への不満で、しょっちゅう愚痴をたれてしまう自分を、この映画のおかげで珍しく反省することができました。そして、同性間の結婚がまだ認められていないことを悲しく感じました……。

 私のようにささいなことで不平不満が溜まっている奥様方、ぜひこの映画をみることをオススメします! 

f:id:sakuyakonohana-sk:20170216005840j:plain

「信じることはパワーです」

「愛は勝ちます」

 

【参考】

映画『ラビング 愛という名前のふたり』公式サイト - 3月3日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー

 

【画像】

 (C)2016 Big Beach, LLC. All Rights Reserved.

ライアン・ゴズリングの筋肉は見られないけど……「ナイスガイズ!」がナイス!

f:id:sakuyakonohana-sk:20170207093906j:plain

2017年はライアン・ゴズリング祭り! 2月18日に公開の映画『ナイスガイズ!』に続き、アカデミー賞最有力候補といわれる『ラ・ラ・ランド』が2月24日に公開されます。そして11月には『ブレード・ランナー』の続編も公開されるとか! ゴズリングファンの私にとって、本当に嬉しい1年。

 

まずは、2017年ゴズリング祭りの第一弾、『ナイスガイズ!』を観てきました。『ラ・ラ・ランド』のロマンチックなゴズリングよりもこちらの映画の彼のほうがオススメ!と言う人も多いので、か~な~り~期待して行きましたが、うん、期待どおり面白かった~!

 

舞台は1977年のLA。実直だけれど筋肉バカの示談屋ヒーリー(ラッセル・クロウ)と、ずるいけれどアホでアル中の私立探偵マーチ(ライアン・ゴズリング)が、ひょんなことからコンビを組むこととなり、連続殺人事件に巻き込まれていく……というサスペンス仕立てのアクションコメディです。

ヒーリーとマーチのドタバタな掛け合いをみていると「このコンビ、『リーサル・ウェポン』に似てなくない?」と思ったんですが、案の定、この作品の監督/脚本は『リーサル・ウェポン』で脚本家デビューを果たしたシェーン・ブラックだったんですね~。 

リーサル・ウェポン』(1987年)は大好きな映画なんですが、ワザとらしいほど哀しいリッグス(メル・ギブソン)のキャラクター設定(ひょっとしたらギブソンの演技のせいかもしれないけど)が正直鼻につくときがありました……。が、この『ナイスガイズ!』にはそういう“ヤリすぎ”がないんです!

ヒーリーもマーチもめっちゃ頭が悪くて、実際に捜査を進めていくのが、唯一賢いマーチの娘、13歳のホリー(アンガーリー・ライス)。

映画のタイトルは『ナイスガイズ!』ですが、ナイスなのはホリーだけ笑。子供のホリーだけがモラルと良識をもった人物なのです。こういった人物描写とジョークのミックスマッチがこの映画の最大の魅力かも!

それでは、この映画の見所をざっくりと3つご紹介します~。

 

1:ラッセル・クロウxライアン・ゴズリングのケミストリーが最高!

f:id:sakuyakonohana-sk:20170207094002j:plain

いつの間にか膨張してクマ男化しちゃったラッセル・クロウと、珍しくダメダメ男を演じているライアン・ゴズリングの見事なケミストリーは、演技とは思えないぐらい観客を笑わせちゃう! 

キャラクターに絶妙にマッチしたジョーク、そして体をはった芸人のようなスタントに映画の最初っから最後まで笑えます。とりわけ、ゴズリングのトイレのシーンが最高!

 

2:70年代後半のファッション、インテリア、クラシックカー、音楽に心を奪われる!

f:id:sakuyakonohana-sk:20170207094038j:plain

ホリーが魅せるティーンファッションは本当にオシャレ! バギージーンズ、刺繍入りデニムジャケット、ジャージのコーデは今の時代でもマネできそうー。

パーティーシーンに登場するフォークロア、マキシドレス、レインボウなど、サイケ・ボヘ調に彩られるファッションもめちゃくちゃ素敵。ヒーリーやマーチのヴィンテージルックも見逃せません。

また、ミッドセンチュリーの家具、幾何学模様やボタニカルの壁紙、ゼブラのハラコに真っ赤なウォールなど、ヴィンテージインテリア好きにはたまらない~! 

しかも、ポンティアック、ベンツ、ワーゲン、メルセデスなど、60年代後半から70年代後半の名車がズラリとお目見え!

アース・ウィンド&ファイアー、テンプテーションズ、キッス、ビー・ジーズアル・グリーンなどの音楽がリアルな70年代のムードをオン! クラシックロック、ディスコやファンク好きさんには必見の映画です。

 

3:笑いのなかに社会風刺が仕込まれている!?

f:id:sakuyakonohana-sk:20170207094116j:plain

ブラック監督がスゴいな、と思わせるのはコメディのなかに“嫌味にならない程度”の社会風刺が密かに仕込まれているところ。

70年代後半に絶頂期を迎えたポルノ産業と自動車産業、この相反するような二つの産業ですが、それぞれのパーティーシーンはそっくり!?

女性をモノとして扱うポルノ産業、環境を汚染する自動車産業、両産業ともに人間性と自然を破壊しちゃう“バッドガイズ”とも考えられますよね。

これら産業を軸にしたサスペンス展開にブラック監督の“想い”が込められているような気がしましたが、皆さんはどう思われるでしょうか? 特にラストシーンのヒーリーとマーチのダイアローグには、注意してみてくださいー!

 

ヴィンテージカルチャーに酔いしれながら、手に汗を握りつつ腹を抱えて笑い、最後にちょっと考えさせられる『ナイスガイズ!』は、一級の娯楽作品に仕上がっています。男性と女性両方にオススメですよー!

 

【参考】

映画『ナイスガイズ!』公式サイト – 2017年2月18日、新宿バルト9ほか全国ロードショー

 

【画像】

※ (c)2016 NICE GUYS, LLC

 

【配給】

クロックワークス